初代シビックタイプR EK9の魅力
初代シビックタイプRが発売されたのは1997年、今から20年以上前までさかのぼります。6代目シビックEK型のスポーツモデルとして誕生しました。スポーツモデルといえど、その中身はレーシングカーに近いものがありました。レカロ製バケットシートにモモステアリング、スポット増し、パフォーマンスロッドの追加によるボディ補強等々・・ 車体のあらゆる部分が高速走行中のコーナリングをしやすくしたり、それに耐えられる構造に仕上げられています。
しかし、この車の最大の特徴そして最もレーシーである部分がエンジンです。
リッター100馬力超!! 脅威のVTECエンジン
この車のエンジンは、ホンダが低回転、高回転でも最適な出力や燃費が得られるよう開発されたVTECという機構を搭載しています。簡単に言えば
低回転・・・街乗りに適した燃費と瞬発力
高回転・・・背中をドンと押されるような圧倒的加速力
を発揮できるようにされているという事でしょうか。この機構に加え、職人が手作業でエンジンを磨いたり部品のバランスを高精度に取ったりするなど様々な手間と工夫がなされた結果、排気量1600ccで185馬力という驚異のパワーを発揮しました。現行車で同排気量でこれを上回るパワーを発揮するエンジンは多くありますが、それは大抵ターボがついています。対して、EK9はターボがついていません。ノンターボでこのパワーを発揮するのです。
同排気量ノンターボの他車で比較してみました
こんな最近の車でさえ、ノンターボであれば130馬力あればいいほうといったとこでしょうか?対してEK9は20年前の車なのにあのパワーというのはずば抜けてすごいという事がお分かりいただけると思います。おそらく1600ccノンターボであれば
最強のエンジンといえるでしょう。
このスペックで当時の新車販売価格は200万いかなかったというのですから驚きです。
EK9シビックタイプRの中古車相場
今だに根強い人気があるため、盗難されてエンジンだけ海外へ売り飛ばされ車体は山奥に捨てられるといったような被害が相次ぎどんどん数が減っています。一般的に良い状態の中古車の条件として、10万キロ以下、修復歴なしといったような個体は軒並み200万オーバーで販売されいます。15万キロ、修復歴ありでも150万前後はします。20年落ちでも新車販売価格と同じかそれ以上で取引されているというのはかなり珍しいと思います。5年前くらいだと100万前後、状態のいいものでも150万前後でしたので、今後もさらに値上がりすると考えられます。