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映画「OVER DRIVE」に出てきた専門用語解説!

 先日公開された映画「OVERDRIVE」邦画としては珍しくモータースポーツを扱った映画で、東出昌大さんと新田真剣友さんが主演で話題となりました。

この映画では実際のラリーとほぼ同じ雰囲気を出すため車についての様々な専門用語が飛び交い頭の中が「???」でいっぱいになってしまった人が多くいると思います。

そこで覚えている限りですが、劇中に出てきた専門用語についてすこし解説してみたいと思います。

 

サスペンション

路面から伝わる衝撃を和らげたり、カーブを曲がるときなどにタイヤをより地面に接地させ車を曲がりやすくしたりする役目をしています。東出昌大演じる桧山篤洋が開発していたのはこの中の「スプリング」と「ダンパー」という部品です。

 

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スプリング

路面からの衝撃を吸収する、「バネ」です。一般車は乗り心地をよくするため柔らかいものが多いですが、レーシングカーの場合は車体が揺れて不安定になるのを防ぐため、乗り心地を犠牲にしたガチガチに硬いものが多いです。

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ダンパー

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「ショックアブソーバー」とも言います。上記のスプリングだけだと縮んで伸びる際にビヨンビヨンしてしまうので、そのビヨンビヨンを油の力でなくすための役割を持っています。この部品が機能していないとこのような挙動になります

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これ以外にレース中に交換していたサスペンションの部品については以下のようなものがあります。

 

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ロアアーム

ホイールを車体とつなげて支えるための部品です。今販売されているほとんどの車はこのロアアームで車体を支えています。劇中に出てきたラリーカーのようなレーシングカーはさらにロアアームの上にアッパーアームというもう一つのアームで支え、頑丈に作られています。

スタビライザー

「スタビ」とよく呼ばれます。左右のサスペンションとつながっている棒のようなものでこいつの硬さを変えることによって車の特性を変えることができます。

ハブ

ホイールとブレーキディスクを取り付け支える部品です。ホイールをつけるためのボルトが何本か生えています。車種によってこの本数が違い、軽自動車は四本、普通車は4本または5本のものが多いです。トラックなどは6本以上あるものが多いです

アップライト(ナックル)

ハブを支えている部品です。ナックルとも言います。タイヤの向きを変える役割もあります。

 

タイロッド

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ハンドルと連動してこの棒が伸びたり縮んだりすることによってアップライトを動かし、タイヤの向きを変える役割を担っています。

 

 

 

ターボチャージャー

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 劇中で篤洋がマネージャーに熱く語って説明していたパーツです。篤洋の言う通りエンジンのパワーを上げるためのものです。理屈としては「排気ガスの力で動く送風機」のようなものです。エンジンは燃料を燃やすことによって動いているので、空気を沢山送ってやれば燃料が良く燃えてパワーが上がります。ターボは排気ガスの力で羽根を回転させ、空気を吸引してエンジン内部へ強制的に送りこむことによってパワーを上げることができるのです。

ノッキング

開発中のターボについて「ノッキングを2,3回起こしている」と篤洋が言っているシーンがありますが、ノッキングとは異常燃焼のことです。ガソリンが意図しないタイミングで燃えたり、意図しない場所で燃えたりする現象のことを言います。これが起きると最悪エンジンが壊れて動かなくなったりする場合があります。

 

アンチラグシステム

ターボチャージャーはパワーを出したい時、すぐにはパワーを上げることはできません。このパワーが上がるまでの時間を「ターボラグ」といいます。昔の車はこのターボラグがひどい車が多く、アクセルを踏んでワンテンポ遅れてパワーが急にくる「ドッカンターボ」というのが多かったのですが、それを防ぐシステムがアンチラグです。

このシステムが働くとマフラーから火が出ることがあります。劇中でもよく火を噴いているシーンがありますがあれは単なる演出ではなく実際に起こりうることなのです。

 

 

 

 

以上ざっと簡単に説明してみました。車のことがわかるとより映画が楽しめると思いますよ♪